マジックアワー

佐藤真希

作品解説

なぜか小さなころの風景が夢によくでてきます。
ただ無邪気でいちばん楽しかった、自分の覚えうる限りの最初の、 断片的な日常のことです。
それらは楽しかったのに、なぜ夢に出てきたあとは、ただただ切ないんでしょうか。
心の深い場所のどこかで、わすれられ、静かによこたわっているたくさんの小石のような記憶は、 親元から離れ、一人になったとき、時おり、こころがふとした瞬間にふるえると、思い出されます。
それはある種おとなになったからでしょうか、それともおとなになることへ対する足踏みなんでしょうか。
もう二度と戻れない日々があることを、人はいつか自覚してしまうんだと思います。
そんな不思議な焦燥感の気持ちを、いま20代の自分が感じたこととして残すために、制作しました。

 

作者プロフィール

1989年7月13日誕生。
長野県の田舎で自然に育まれながら育ち
2008年、東京造形大学アニメーション専攻領域入学。
春日ゼミナール所属。
ゼミ展ではDMのキャラクター、展示ではアニメーション幻投機を制作。
モラやインディアンのデザイン、土偶などの民族感のあるデザインに興味があります。
モチーフとしてはアヒルやカエルが好きです。
シュールでぬくもりのある絵が描きたいです。

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