JINGIWIKI

斉藤円香

作品解説

原始、女は太陽であった。
女は自然と人間の間に挟まれた両義的な存在である。
故に「穢れた」存在と男たちによってみなされてきた。
女たちは男の召使いであった。
男は怯えているのだろうか?
人間とは男である、女は人間ではない。
女はひとり残らず〝魔女"なのだ。

私は幼い頃から自分の家族や周りの人間を見ながら常に「女性とは何か」ということについて意識せざるをえなかった。
そして、人類学やフェミニズムにインスパイアされ、この作品を制作した。
女性であることはそれだけで不思議なことである。
女性は変幻自在だ、外の潮流と内の潮流、柔軟に時に身を任せて生きる。だが女の歴史は疎外の歴史でもある。
不幸なことは女自身が男性の他者である自分を内面化してきたことだ。女性は男性の奴隷とまではいかないにしろ常に家来であった。
思春期には自分の身勝手に成長する身体から、妊娠中には精神を体内の異物に脅かされることになるだろう。
女性の身体は女性にとっても自分とは違う何かのように感じられるときがある。
女性とは何者であるのか?

作者プロフィール

1990年1月30日生まれ。千葉県出身。B型。国府台女子学院美術デザインコースを卒業後、東京造形大学で絵画、現代美術、写真、映画など幅広く学びながら
アニメーションを中心に制作。代表作に「An Old Cactus」「OTONA」「東京ロズウェル」「ポトラッチ」「GONDOLA」等。
また8mmフィルムによる自主特撮映画制作団体「特撮隊」所属。趣味は映画を観ることや読書をすること、ギターを弾いたり音楽を作ること。
バンド「作画崩壊姉妹」ではリードギター。好きな授業は文化人類学や社会学、哲学などでフェミニズムに凝っている。

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